魔女の一撃

2019年4月12日

「魔女の一撃」をご存知だろうか。ヨーロッパでそう呼ばれる現象は、日本にも数多く日常的に存在している。
何もないはずの空間から突然殴られたような衝撃を感じ、その後数日から10日ほどの間、動けないほどの激痛に襲われるという「魔女の一撃」…

日本で言う ギックリ腰 である。

昨日突然、魔女の一撃を食らった。ほむらどころかまどかも真っ青になるくらい強烈な魔女の一撃だ。たしかにここひと月の間、私の腰の調子は悪く、ソウルジェムは濁りつつあった。しかしこれは予想以上のダメージだ。ホイミじゃ間に合わない、ベホマズンくらいじゃないと回復しそうにない。

まず寝返りが打てない。腰に力を入れると激痛が走る。仕方なく6時間ほど仰向けで過ごした。仰向けのままだから湿布も貼れない。誰かハリーポッターよろしくウィンガーディアムレヴィオーサとかかけて浮かせてくれないかなと切に願った。そしたらそのスキに湿布貼るからさ。

寝返りが打てないとどうなるか?当然起き上がることなどできない。仰向けの状態から腹筋を使って起き上がるなど自殺行為だ。つまり、一旦うつ伏せになってから四つん這いになり、そこから立ち上がるという動作になるわけだが、うつ伏せになるには寝返りをする必要がある。終わった。

幸い手元にはスマホがあった。私はグーグル大先生に聞いた。「ぎっくり腰 立てない」。
するとある1件のブログがヒット。そこにはこう書いてあった。

「ぎっくり腰になると痛みに耐えるために常にジョジョ立ちになり、激痛が走るたびにポルナレフになる」

私は笑った。すると腹筋に力が入った。私はポルナレフになった。

違う、そうじゃない、そうじゃなくて立ちたいんだよ!ジョジョ立ちでも何でもいいから立ちたいんだ!花京院でもいいよ!

ここまでしてなぜ立ち上がりたいのか。なぜ決死の反乱を起こそうと思うのか。私がストームクロークだからか?真のノルドは引かないからか?降参する!

要約すると、とてもとてもトイレに行きたい。ちょっとお花つみに行って参りますわお姉様…なんて簡単に上品に事は進まない。
すでに仰向けで6時間過ごしたことは述べた。まだ膀胱に余裕はあるが、先々を見据えて行動を起こすことは人生において重要である。

6時間の中で幾度となくトライするうち、力を入れずに体を捻り、手で支えながら腰を回すと痛くないことがわかってきた。これいけるんじゃない?90度回れるんじゃない?

やればできる!昔バイトしていた塾の合言葉だった。

結論として、やればできるがものすごく痛い。横向きになったもののさらに2時間が経過した。
しかし大きな収穫がある。この間に湿布を貼るミッションに成功した。数時間前の私には信じられない、イーサン・ハント並のミッション遂行力である。

あとはもう一度回ってうつ伏せになり、四つん這いになって、立ち上がる。私はもう一回回ろうと思った。しかし、物というのは回転運動をすると位置が変化するのが常だ。つまり、もう一回転すると私は布団から床の上に落ちる。
布団の厚さは10cmほど。高さは問題ではない。問題は、冷たい床の上に転がったら時間的猶予がなくなるということだ。時間的猶予とはつまり、膀胱ダムの限界量である。

四つん這いになる、立ち上がる動作は試せないのでどうなるかわからない。もしかしたら奇跡的にスムーズにいくかもしれない。フローリングの上は摩擦係数が小さいから動きやすいかも…。淡い期待を抱いて私は転がった。

明け方、冷たいフローリングの上でゾンビのようにもがきながら私はこれを書いている。ファミパンおじさんもびっくり仰天。

ちなみに彼氏が同居しているが、彼は私の介護に積極的ではない。なぜなら、魔女の一撃というのは「ふざけて彼氏にタックルをかまして転ばせようと思ったら、勢い余って腰が逝ってしまった」ことが原因だからである。自業自得。あたしって…ほんと、バカ…

なお、この彼氏とは7年付き合って別れました。